COLUMN 住宅性能の話
その断熱で大丈夫?断熱材では止められない熱とは
平屋でも暑くならない!その理由を解説
[ Category: 住宅性能の話 ]
夏の夜、家の中が熱いのはなぜ?
夏の夜、外は涼しいのに家の中が暑い・・・
窓を開けて夜風が通っているのにそれでも家の中が暑い・・・
こんな経験したことはありませんか?
「でも家の中には分厚い断熱材が入っているのになんでなの・・・」と思うのではないでしょうか。
確かに分厚い断熱材が使われることで熱は伝わりにくくなりますが、逆効果になることも・・・
断熱材とは
「断熱材」とはたくさんの “空気の層” で出来たものになります。
空気は熱が伝わりにくいため、この特性を利用し空気の層をたくさん重ねたものが断熱材です。
断熱材と同じように空気の層からできたものとして「ダウンジャケット」「布団」「保冷容器」があります。ダウンジャケットが暖かいのは断熱材と同じ働きがあるからなんです。
断熱材と同じ構造の「布団」を天日干しした経験はありますか?
太陽の熱をいっぱい吸い込んだ布団は“ポッカポカ”になりますよね!
もし布団が家の断熱材だとしたら夏に家の中はどうなりますか?
天日干しした布団をかぶった状態になり、夜エアコン無しでは眠れなくなります。
断熱材の誤った認識
断熱材と聞くと「熱を止める物」と思われる方が多いと思いますが、
正確には断熱材は熱を止めるのではなく「熱の伝わりを遅くする物」になります。
断熱材はたくさんの空気が含まれた素材からなる物で、その空気が熱の伝わりを遅らせます。
つまり少しずつ熱が断熱材の中に浸透していきますので断熱材は熱を貯め込んでしまいます。
この断熱材に貯め込まれた熱が夜間に家の中に放出されるので暑くなるのです。
熱の伝わりは3つ
そもそも「熱の伝わり」とはどのようなものなのでしょうか?
少し難しくなりますができるだけ簡単に説明しますのでお読みください。
熱の伝わりには「伝導」「対流」「輻射」の3つがあります。
伝導は直接触れることで熱が伝わることで、「フライパンで肉を焼く」「カイロで手を温める」などが
"伝導熱"による熱の伝わりになります。
対流は空気による熱の伝わりで温風ヒーターやエアコン、ドライヤーなど"対流熱"を利用したものになります。
輻射は赤外線による熱の伝わりで「冬に焚火をした時、北風が吹いても暖かさが伝わる」ように、風など空気に影響されない熱の伝わりになります。太陽の熱も赤外線であり100%輻射になります。
この3つの熱の伝わりを止めることが快適な住環境を作ることになります。
家の中は輻射熱が75%
建物内の熱移動の割合を調べた資料によりますと「伝導が5%」「対流が25%」「輻射が75%」になります。つまり家の中での熱の伝わりは75%が輻射によるものです。
太陽の熱は100%輻射熱で、夏の太陽は高度が高く屋根を強く熱します。
次に熱せられた屋根の輻射熱が屋根裏や断熱材を熱します。更に壁や床へと熱が伝わり家全体が暑くなるのです。
夏に押入れの中の布団に触わるとポカポカなのはご存知でしょうか?
布団と同じように天井や壁の中の断熱材もポカポカになっているのです。
このように空気の層でできた断熱材は輻射熱の影響で熱を蓄えてしまいます。
熱の移動は「高い方から低い方へ」
※これを知れば暑さ対策が分かる
少し難しいお話になりますが、熱の移動に関して重要なことをお話しします。
熱の伝わり、つまり「熱の移動」には原則があり温度の高い方から低い方へ移動します。
空気は温まると上昇するので一定の方向性がありますが、輻射熱は決まった方向性は無く、
温度の高い方から低い方へ向かって、上下左右全ての方向へ移動します。
また輻射熱は空気に影響されないので、風が吹いても熱が伝わるのが特徴です。
夏の夜、屋外は夜風が吹いて涼しいのに室内が暑い理由は、日中屋根や壁が太陽に熱せられ、夜になりその貯め込んだ熱を人体に向けて放出するからです。
人間の皮膚の表面温度は約33℃です。天井、壁の温度が33℃を超えるか、それ近くになると夜風が通っていても冬の焚火のように風が吹いても輻射熱の影響で室内は暑くなるのです。
夏の夜、屋外が涼しい理由は、夜は放射冷却現象により宇宙に向かって地球の熱が放出されるため涼しくなります。人体の温度を左右するのは室温(空気の温度)だけではなく、実はその50%は輻射熱によるものと言われており輻射熱が大きな要因なのです。
つまり輻射熱を止めることができれば、建物の温度上昇を抑えることができ、体感温度は大きく変わることになります。
「熱反射シート」で輻射熱をカットする
輻射熱に大きな効果を発揮する遮熱材「熱反射シート」をご紹介します。
この熱反射シートは輻射熱を97%カットする働きがあり、断熱材では止められない輻射熱を止めてくれます。
熱反射シートの表面は純度の高いアルミ箔が施され、このアルミ箔が輻射熱を反射するのです。
アルミ箔というと金属なので熱するとすぐ熱くなるように思われますが、遠赤外線ストーブで熱しても熱くなりにくいです。
アルミ箔は金属の中で金、銀に次ぐ輻射熱を反射する性能に優れた金属なのです。
夏、車のフロントガラスの内側に熱を遮るピカピカのシートを取付けたり、
テレビで救助された人がピカピカのシートをまとっているのを見たことは無いでしょうか?
あのピカピカのシートはアルミでできていて、薄いシートながらフロントガラスから侵入する太陽の熱を反射し、人体から放出される輻射熱を反射してくれます。
このようにアルミ箔は熱を反射する性能が高いのです。
この熱反射シートを屋根や天井面に取付けることで建物内に侵入する輻射熱を反射し、
建物が熱くなるのを大幅に抑えてくれるので夏の夜に夜風で涼しく過ごすことができるようになります。
また冬は家の中で最も温度の低い"床下"に室内の熱が奪われますが、 床面に熱反射シートを取付ければ室内の熱を反射し足元の冷えを抑えてくれます。
ただし熱反射シートは対流熱と伝導熱にはあまり効果がありません。
熱反射シートに使用しているアルミ箔は金属膜なので熱いものに直接触ったり温風を吹きかけるとすぐに熱くなります。ですので、断熱材と合わせて使用します。
断熱材は対流熱と伝導熱に対し、非常に効果が高く、熱反射シートは輻射熱に効果が高いです。
断熱材で対流熱と伝導熱を食い止め、断熱材では止められない輻射熱を熱反射シートで止めることで
3つの熱の移動をしっかり食い止める"理想の断熱"が実現できます。
*弊社で使用している熱反射シート「サーモバリア」のホームページにその効果が詳しく載っていますのでご覧ください。⇒https://www.e-lifetech.com/thermobarrier/
平屋でも暑くならないために
2階建ての家で、1階から2階へ上がると階段の段数に合わせて室温が高くなるといった経験があると思います。
2階は屋根のすぐ下になるので、太陽の熱の影響により1階よりも熱くなるのです。
平屋は2階建ての家の2階と同じ条件になります。
2階建ての場合、暑ければ1階へ逃げることができますが、平屋は逃げるところがありません。
しかし「理想の断熱」であれば、平屋でも暑くなることは無く涼しく過ごすことができます。
更に「理想の断熱」であれば、冬の寒さを防ぎ足元まで暖かく過ごせます。
断熱材に熱反射シートをプラスして「理想の断熱」を手に入れれば平屋でも涼しく快適に過ごせるようになります。
平屋の暮らしをさらに快適に! "風の出ない"全館空調のご紹介
夏の暑さから逃れるにはエアコンは欠かせません。でも女性の多くがエアコンによる冷え症に悩まされていることも事実・・・
その原因はエアコンの風にあるようです。
ご紹介する全館空調システム「温ったCafe」の輻射式冷暖房パネルは"風が出ない"のが特徴で、
女性の冷え症を抑える効果があり非常に喜ばれています。
暑がりの男性からも「鍾乳洞のようにひんやりとして気持ち良い」と大評判です。
なぜ風が出ないのに夏は涼しく、冬は暖かくなるのでしょうか?
詳細は以下のバナーからご覧ください↓
実際に熱反射シートと全館空調を導入したお客様からの声はこちら↓
輻射式冷暖房パネルを体感できます!
本格的な夏を迎えるシーズン!輻射式冷暖房パネルを体感することができます。
各務原市にある住宅展示場に実物を展示・運転していますのでリアルな体感ができます。
新築、建替え、リフォームをお考えの方はこの機会にモデルハウスでご体感されることをお勧めします!
気になるけど、展示場にはなかなか行けない・・・という方は、輻射式冷暖房パネルの仕組みやお客様の声が掲載された詳しい資料がございますので、ご興味のある方は下のボタンからお気軽にお申込みください。無垢Storyの家づくりのこだわりもより深く知って頂けると思います。
※資料は無料です
関連記事
人気の記事
-
寒い冬が過ぎ、温かくなってきましたね。今年の冬はどのくらい寒くなるのか心配です・・・寒くなる前に床暖房を考えている方も多いのではないのでしょうか?...
寒い冬が過ぎ、温かくなってきました...
-
2019年度、住宅金融支援機構のデータによると、東海圏の住宅面積の平均は約38坪、建築費は約3454万円(土地取得費除く)...
2019年度、住宅金融支援機構のデータ...
-
無垢ストーリーでは「自然素材」を売りにしていますが、だからといって 「合板フローリングは悪い!」とか「クロスは息苦しい!」とは言いません。 なぜなら、天然モノでも人口モノでも、...
私の務めている工務店は「自然素材」...