COLUMN 住宅性能の話
輻射式暖房がなぜ良いのか?
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冬の必需品といえば「暖房器具」
初冬の12月から桜が咲く3月か4月の1年の3分の1は暖房器具を使用しているのでは・・・?
さまざまな暖房器具がありますが、どうやって選べば良いのでしょうか? そんな暖房器具の選び方のポイントをご紹介します。
輻射式暖房とは
暖房器具には「温風式」と「輻射式」があります。
温風式はエアコンやファンヒーターなどで、空気を暖め室内を循環させることで温めます。
輻射式は薪ストーブや床暖房、オイルヒーターなどで、赤外線を放出し壁や床などを暖め室内を温める風の出ない暖房器具です。
温風式の欠点
暖められた空気は上昇するため天井近くと床の近くでは温度差が生じ、頭はポカポカ足元は冷え冷えといったことになりがちです。
また温風は直接肌に当たると乾燥するため乾燥肌になったり風邪もひきやすくなったりします。
温風式は温めた空気を循環し直接身体に触れるため、暑がりな男性に温度を合わせると寒がりな女性は寒さを感じ、女性に合わせると男性が暑くて困るといったことになります。 夏はこの逆のことが起こります。よくエアコンのスイッチの取合いで夫婦喧嘩になる話をお聞きしますが、これが原因だったんですね
輻射式の特徴
温風が上方向に移動するのに対し輻射熱は温度の高い方から低い方へ向けて360度どの方向へも移動する特徴があります。例えば部屋の中央にオイルヒーターを設置した場合、床の温度が最も低ければ床に向かって多くの熱が移動します。
体温の高い男性と低い女性の場合、輻射熱は女性に多く熱移動するので男性が不快に思うことなく女性が温まることができます。輻射式なら夫婦喧嘩も少なくなるかもしれませんね。
そもそも室内が寒く感じる原因は部屋そのものが冷えているからで、その冷えた部屋に体温が輻射熱として奪われることによるものです。家の中で温度が最も低いのは床下・・・温風式暖房で空気を温めても温風は上昇してしまうため冷えた床を温めるには時間が掛かります。
輻射式暖房は空気を温めるのではなく、床、壁、天井の部屋そのものを温めます。温風式は"生暖かい空気感"がありますが、輻射式は寒さの原因の部屋そのものを暖めるため空気は軽やかで生暖かさは感じません。冷えた床もほんのりと暖かさを帯びてくるので足元の寒さが和らぎとても快適で、上下の温度差が少ないためホコリの巻き上げも抑えます。
床暖房は危険?
床暖房は輻射式ではありますが人体に直接触れる暖房器具です。床暖房の温度は30℃を超えると人体に悪い影響があると言われます。
人体のたんぱく質は40℃を超えると変質するそうで、44℃の床暖房に長時間触れていると低温火傷を生じる危険があります。
北欧では床暖房の温度を29℃以下にしなけれならないといった法律があるそうです。理由は自律神経に影響が出るとかで・・・
またフローリングによっては30℃以上になるとホルムアルデヒド、トルエン、キシレンといった人体に有害な化学物質が放出することが報告されています。
床暖房は輻射式ですのでとても良い暖房器具と言えますが温度には気を付けなければなりませんね。
その温度調節で床暖には別の課題があります。
それは冬の初めや春の初めの朝晩は寒いけど昼間はポカポカな日の場合のことです。床暖房はスイッチを入れてから約半日経たないと温度が安定しません。朝に合わせると昼間は暑く、昼に合わせると朝晩は寒いといったことになってしまうからです。
夏も輻射式
夏の冷房はエアコンもしくは扇風機ですが、いずれも風を発生させ涼しくなります。風は身体の表面の気化熱を取ることで体温を下げる働きがありますが、エアコンは風が冷風になるので更に体温を下げる働きがあります。
女性の冷え症はエアコンが原因ともいわれますが、冷風により体温を必要以上に奪うからだと思われます。
輻射式の冷房をご紹介
輻射式冷房器具はほとんど見かけることはありませんが、無垢ストーリーの「温ったCafe」に採用されている輻射式暖房パネルはエアコンと連動式なので夏は輻射冷房として使えます。
輻射冷房は、冷えたパネルが人体の熱をうばう形で涼しくなるので、エアコンとは違い冷たい風が直接身体に当たらないので冷えすぎることが無く、体温の高い男性からより多く熱を奪うので“暑がりな男性”も“寒がりな女性”も快適に過ごせます。
女性の冷え症の原因は「夏のエアコン」と言われます。輻射式の冷房であれば冷え過ぎず涼しさを得られますので冷え症の解消に役立つと思います。さらにエアコンと連動なので暖房と冷房がわずか10分足らずで入れ替わるので寒暖の差が大きい季節でも快適に過ごすことができます。
「温ったCafe」の輻射式暖房(冷房)パネルについて詳しくはこちら ⇒ 床暖房を超えた「全館暖房の家」とは?
輻射式暖房の家を温かく省エネにする断熱とは?
暖房器具が良くても家の断熱性が悪くては暖房器具の良さを発揮することは出来ません。暖房器具と断熱はセットで考えなければ快適な住まいは出来ないのです。
では断熱材をたくさん使用すれば良いのでしょうか?
答えは「25%は正解、75%は不正解」です。
その理由は、断熱材では止められない熱が75%を占めるからです。では、75%の熱とはどのような熱なのでしょうか?
それは「輻射熱」です。輻射熱は輻射式暖房の熱と同じ赤外線とよばれる電磁波で、断熱材では止めることが難しいのです。
輻射熱を止める最も有効なものに「熱反射シート」があります。
熱反射シートはアルミ箔でできたシートで輻射熱を97%反射する働きがあり、輻射式暖房の熱を逃さないので、効率良く建物を温めることができます。
詳しくはこちらをご覧ください↓
その断熱で大丈夫?断熱材では止められない熱とは
床暖房を超えた「全館暖房の家」とは?
冬は陽だまりのように温かく、夏は鍾乳洞のように涼しい風のない“輻射式 冷暖房パネル”を使用した全館暖房の家「温ったCafe」をご紹介します
「温ったCafe」は床暖房の課題を克服した「輻射式 冷暖房パネル」、断熱材では止められない熱を止めた「熱反射シート」、空気を循環させながらも暖め冷やした熱を逃さない「ダクトレス熱交換換気扇」を採用し、 冷え症の方、暖房費を節約したい方、床暖房をお考えの方にぴったりな新しいシステムです。
各モデルハウスに「温ったCafe」の体感コーナーを開設しました。
実際にどんなシステムなのか体験を通しておわかり頂けると思います。
是非、ご予約の上お近くのモデルハウスまでお越しくださいませ。
スタッフ一同、お待ちしております。
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