ブログ/名古屋城本丸御殿から考える、木造建築と自然素材の良さ

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名古屋城本丸御殿から考える、木造建築と自然素材の良さ

[ Category: 無垢ストーリーの住まい ]

こんにちは。

各務原展示場の加藤です。

 

三寒四温で少しずつ春を感じられる季節になりましたね。ただ、同時に花粉の季節でもあり. . .

春の到来を素直に喜べない花粉症の私です汗

 

何はともあれ春です!春といえば桜、桜の名所といえば名城公園が有名ですね!

毎年、桜の季節にはたくさんのお花見客でごった返す名城公園ですが、

ここまで来たなら名古屋城にも足を運ばないともったいないです!

なぜなら、「本丸御殿」があるからです。

 

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 2019年3月現在、名古屋城の「天守閣」は鉄筋コンクリート造から木造化に伴う改修工事のため、

残念ながら中へは入場できなくなっています。

しかし、名古屋城では「本丸御殿」と呼ばれる建物が復元・公開されています。

この「本丸御殿」は江戸幕府初代将軍 徳川家康の命により築城された名古屋城と時を同じくして建てられました。

元々は家康の九男である徳川義直(初代尾張藩主)の住居でしたが、その後は歴代の将軍が上洛する際の宿泊所として利用され、1634年には三代将軍 徳川家光の上洛にあわせて豪華な上洛殿が増築されます。

1930年(昭和5年)には城郭としては初の国宝第一号に指定されますが、1945年(昭和20年)5月、空襲により天守閣・本丸御殿ともに惜しくも焼失してしまいます。

 

1959年(昭和34年)に天守閣は鉄筋コンクリート造で復元されましたが、本丸御殿の復元については平成になるまで実現しませんでした。

当時の資料をもとに、ようやく2009年(平成21年)に復元に着手、段階的に復元・公開され2018年(平成30年)6月の第3期工事(上洛殿)完了により、焼失後70年以上の時を超えて往時の姿を蘇らせました。

 

建物の前まで来ると、まず目を引くのは屋根です。屋根は全てが薄い板状の杉材やサワラ材を重ねてはられた「こけら葺き」になっており、その屋根が生み出す絶妙な曲線が天守閣とは対照的に優美な佇まいを生み出しています。

 

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本丸御殿の中へ一歩み足を踏み入れると、そこは豪華絢爛の一言に尽きます。忠実に模写された金箔貼りの襖絵や障壁画・天井画、精緻な細工が施された欄間・飾金具等たくさんの見所があります。これは今なお受け継がれる伝統的な日本画や彫刻・彫金その他たくさんの技術があっての復元と言えます。

 

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また、今回の復元に伴い制振ダンパーといった最新技術も取り入れられており、まさに新旧技術の融合が図られています。

この復元に携わられた大工さんや各分野の職人の方々にはただただ頭がさがるとともに、古くからの技術が脈々と受け継がれていること、そこに最新技術も生かされていることに驚かされます。

 

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いや〜やっぱり伝統的な木造建築はいいですね!

 

ここで注意点があります。新たに建造されたとはいえ、芸術的・文化的にとても重要な建造物です。建物の中ではフラッシュ撮影禁止(撮影自体は可能です)、リュック・肩掛けバックを身につけない(体の前に抱えていただくかロッカーに預ける必要があります)等の注意事項を守ってご観覧ください。

 

さて、今回は木造建築の地震に対する強さについてお話しします。

名古屋城は戦災により焼失しましたが、それまで300年以上にわたって建物は存在していました。その間に幾度も大きな地震に見舞われています。また名古屋城に限らず、日本には建築されて数百年の木造建築がたくさん存在しています。

 

木造建築は地震に対して弱いというイメージがありますが、意外にも木材が持つ特性は地震の揺れに対してして高い強度を持ちます。

 

第一に柔軟性。木材は曲げの力に強く、地震の大きな力を受けて多少曲がってもある程度はもとに戻ろうとする復元力があります。一方、鉄やコンクリートは一定以上の力が加わると、突然破壊します。地震の揺れを受けた際、木造はその力をいなしてくれるため大きな破損に繋がりにくいのです。

そして軽さです。地震のエネルギーは建物の重さに比例するため、重い建物ほど大きく揺れます。軽い木造住宅は重い鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて揺れにくいと言われています。

実際に同じ重さの鉄やコンクリートと比較した場合、引っ張りの強さ・圧縮の強さ・曲げの強さで木材はどの素材よりも優れています。つまり木材は、軽い割には強い素材であり、その結果、より少ない材料で強い建築物を作ることができると言えるのです。

 

他にも木材は優れている点が多いため木造建築は地震に対して決して弱くないのです。これで多くの歴史的な建築物が残存する理由もお分かりいただけましたでしょうか?

※ただし、木造の建物もその強さを発揮するには適切に設計・施工されていることが重要です。山喜は設計から施工管理まで自社で一貫して行なっていますので安心ですよ!(また、ご希望に応じて制振ダンパーを施工しております。)

 

 

余談ですが、名古屋城本丸御殿の外壁・内壁は本漆喰で仕上げられています。

漆喰は真っ白な見た目の美しさだけではなく、耐火性、抗菌性、調湿性に優れており、古くから神社仏閣や城郭等に使われてきました。本丸御殿復元に使われた本漆喰は海藻糊につなぎとなるスサ(麻等の繊維)を入れ、そこに消石灰と貝灰を混ぜ合わせたもので、これは山喜が使う漆喰とほぼ同じ素材です。

 

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山喜の家は無垢・そして漆喰の家。木造建築の良さ、自然素材の快適性をぜひ展示場でご体感ください!

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