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小さな家で豊かに暮らす

[ Category: 家づくり ]

こんにちは、設計の高井です。


東日本大震災より早2ヶ月がたとうとしています。
被災されました方々には心よりお見舞い申し上げます。
また、お亡くなりになった皆様のご冥福をお祈り致します。
 

私たちの住む中部地区は被害は無かったものの
一時期、様々な物資が不足したりと多少の影響が出ました。
 

建築業界に於いても、建築資材等の不足により
工事中断を余儀なくされたりと混乱を招いておりましたが
6月末頃までには改善され順調に進むのでは、と思っております。
 

 

さて、我が社では業界紙、建築雑誌、書籍など
様々な印刷物を購読しております。
今回はその中で「なるほど!」と再認識させられる内容だった
書籍をご紹介したいと思います。


 

住宅設計に携わる者には、それぞれに信念があり
住宅関連の書籍を読むと「なるほど!」と思うことがあれば
「それはどうなのか?」と思うこともあります。


今回ご紹介させていただく書籍は
「なるほど!」と思われる部分が非常に多く
今後、当社でも参考にしていかなければ、

と思えることがたくさん書かれています。

 

110507-1.JPG
 

 伊礼智の住宅設計作法
 ~小さな家で豊かに暮らす~

  伊礼 智/著
  新建新聞社/編集


この本の中で伊礼さんは
「小さくまとまったスタンダードな住まいを目指す」としています。


普段私たちは、お客様の要望に沿って設計を進めていきますが
要望を全て取り入れ設計すると、どんどん家は大きくなっていきます。
その後、諸条件を考慮し、具体的にプランニングしていくわけですが
大きいものを小さくしていく作業はとても難しく
結果、大きな家となってしまうことが多いです。


もちろん、お客様の思い描く夢や希望を最大限取り入れて設計し
そこに我々のこだわりをプラスしながら
実際に空間として仕上げていくことこそが、建築士の喜びでもあるのですが
「本当に必要なもの」と「そうでないもの」をしっかりと区別して
よりコンパクトで無駄のない間取りを提案することで
あきの来ない住みやすい家となる、ということに改めて気づかされました。


何よりコンパクトな家は、照明・空調の面から見ても
最小限で済むので、エコにも繋がりますね。
 

 

また、建具の寸法や天井の高さについても書かれています。
 

一般的な天井の高さは2.4m~2.6m
建具の高さは1.8m~2mとされていますが
著書の中で伊礼さんは、天井の高さを2.2mとしています。
これは外廻りのサッシでハイサッシの寸法に
合わせているのだろうと思いますが
更には、内部の建具寸法にも合わせているとのこと。
 

通常、建具の上部には下がり壁があり、そこに戸枠や鴨居がついています。
天井と建具の高さを合わせることにより、この下がり壁がなくなるので
建具を開け放した時に空間のこちら側と向こう側がスムーズに繋がり
一つの広い空間が出来上がるとのこと。


勾配天井や吹抜けなど、縦の広がりを見せる部分を設けることで
圧迫感を無くし、程良く開放感のある空間設計が課題となってきますが
ここは設計士の腕の見せ所になってくるのではないでしょうか。
 

その他、階段のデザインや照明の考え方など
様々なことが書かれていますが

全てにおいてサブタイトルに~ある豊かに暮らす~へと繋がっています。

 

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私たち設計士に向けた教科書的書籍ではありますが
真剣に家づくりを考えていらっしゃる方には
是非読んでいただきたい1冊です。
 

 

岐阜事業所・高井(設計)
 

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