ホワイトウッドを知っていますか
先日、木材新聞「アルチェッポ・ダイジェスト版」に興味深い特集記事がありました。最近ハウスメーカー等でよく耳にする「ホワイトウッド」に関する記事です。知らないでいると何十年後には大変な事にもなりかねない「ホワイトウッド」とはどういう物なのでしょうか?
最大の問題児「ホワイトウッド集成材」とは?
まず右の写真をご覧ください。これは、どのような樹種が早く腐るか調べることを目的とした「屋外での木材不朽テスト」の実験を始めて3年目の写真です。
ここで注目されるのは、写真右端の「ホワイトウッド」という建築材の腐れ具合。スギ(宮崎産)とヒノキ(静岡産)は白太には傷みが見られるものの、赤身は全く腐っていません。ベイツガは下の方が腐り始めています。
ホワイトウッドは全体が満遍なく腐ってしまいボロボロの状態です。他の樹種に比べ腐れ方がひどく目だっているのが分かります。
通称ホワイトウッドはフィンランドやスウェーデンなどの北欧産の木材で、正式名はオウシュウトウヒ。このホワイトウッドで造られた集成材は品質が安定していて狂いや割れが少なく、加工しやすいのが特徴です。さらに強度もあり色白なので、住宅メーカーやプレカット工場では人気が高く、この5、6年の間に他樹種の柱をハネのけ、みるみるうちに木造住宅の7、8割を占めるようになりました。
日本特有の高温多湿が、先進国で一番短い住宅寿命に。
北欧の企業から「150年持つ」と言われ買った北欧材で立てられた事務所の土台部分。築11年で水に対する弱さを露呈。「北欧では150年持つ材料でも日本ではダメ」と買主が説明。
最近、このホワイトウッドを集成柱や間柱として使用している住宅メーカーが増えてきています。
しかし前述のように、住宅や木材の専門家は、このような腐れに弱い樹種を住宅を支える大切な柱や土台に使うのはどうか、と警告しています。
既存建物耐震補強研究会代表の保坂貴司氏によると「日本の住宅は建築後10年を過ぎると「腐れ」がどんどん進むケースがある。腐れ、シロアリ被害が築10年後から出始め20年以降増加。日本の住宅平均寿命は30年と、先進国の中で一番短い」原因は、日本の夏の高温多湿。しかも住宅を腐れやすくする「大壁工法(柱を壁で覆う)」が主流になっていることが、構造体の不朽菌の繁殖を更に早めている、としています。
ホワイトウッドを住宅に使用した場合、何年ぐらいから腐れがひどくなるのか、これらの写真、データを見ると心配になってくるのではないでしょうか。
このホワイトウッドが普及し始めて10年くらいしか経っていため、腐れの問題が表面化するのはもう少し先のことになるでしょう。
早く腐る住宅は2000万円以上損?

消費者は間取りや設備、外観に目が向きがちですが、それが大きな間違いのもとです。住宅は「まず何年持つ住宅にするか」が最優先事項なのです。住宅のプロがこのように長く持つ家造りをするよう強調するのは実際に「大変な損得」が生じるからなのです。
まず、早く腐る家は「20年、30年後に建て替え費用2000万円(建て替え住宅が2000万円として)、解体費用100万円強」必要なのです逆に50年以上持つ長寿命住宅は、これらの費用が要らないことになる。つまり30年後に2000万円以上得なのです。しかも「わずか20万円弱余分に出して、住宅寿命を決める柱や土台などに腐れに強い樹種を選ぶだけ」で、(ヒノキの場合)50年、60年持つ一生の住宅になるのです。
それだけでなく、中古住宅として売らざるを得なくなった場合でも、30年くらいしか持たない住宅に比べ、50年持つ家の方が高い値が付く。この損得は大変な違いになるのがお分かりいただけたでしょうか。
山喜の責任
ホワイトウッド集成材がこれほど多く使われているのは、住宅メーカーにとって優れた建築材料であるからなのですが、一方でホワイトウッドがこれほど腐れやすい木であることを「消費者がほとんど知らない」という現実があります。
なぜ消費者が知らないのか。それは住宅メーカーがその点を十分説明していないからです。
山喜では、全ての構造材にムクの木を使用しています。長く安心して住んでいただける住まい造りこそが、私達造り手の最大の責任と考えているからです。